「株式会社CAST」は2019年に熊本大学から生まれたスタートアップ企業です。
コアとなっている技術は、画期的な薄型センサー。厚さはなんと1ミリ以下。そのうえ自在に曲げられるフレキシブル性と、優れた耐熱性を兼ね備えています。
このセンサー技術を活用し、製造業の長年の課題である、配管内の腐食を監視する「配管減肉モニタリングシステム」を開発。すでにプラントや熊本市東部環境工場での実証実験もスタートし、本格的な展開が目前に迫っています。
そんな同社を支えているのは、大手企業から転職してきたエンジニアたち。
同じく転職して取締役になった深山蘭さんもまじえながら、転職を決めた理由や、働き心地、今回の転職で得たものなどをうかがってみました。
写真左:田中智季(たなかともき)さん※以下、智季さん
東京都生まれ。大学卒業後、東京にあるシステム開発会社に就職。SEとして10年間働いた後、2022年11月に株式会社CASTに転職。現在は東京で生活しながら、リモートワークでソフトウェアの開発に取り組む。
写真中央:田中雄也(たなかゆうや)さん※以下、雄也さん
宮崎市生まれ。熊本大学工学部から同大学院に進学。CASTの社長でもある中妻助教の研究室に在籍し、センサーを研究。卒業後は自動車部品メーカーに就職していたが、中妻助教に声をかけられ、2020年8月、株式会社CASTに転職。生産設備の立ち上げを担当した後、現在は機器の設計・開発にも携わっている。
写真右:深山蘭(ふかやまらん)さん※以下、深山さん
慶應義塾大学法学部から、東京大学大学院新領域創成科学科へ進学。卒業後、産業技術総合研究所に就職。ご主人と中妻社長が友人だった縁で、東京在住のまま、2021年6月に株式会社CASTに入社。法務、人事などバックオフィス業務全般を担当。2022年3月、取締役に就任。
このままいっても、幅が広がらない。もっといろんな経験がしたい
―まずは、それぞれのお仕事内容を教えていただけますか?
- 雄也さん:
-
僕は入社当初から生産技術をメインに担当しています。愛知にある協力工場に毎月足を運んで生産状況を確認しつつ、効率化やコストダウンの可能性を検討しています。
それと並行して今は回路設計も担当していて、配管減肉モニタリングシステムに使う「パルサーレシーバーモジュール」の回路設計や、新製品の開発、試作も行っています。
- 智季さん:
-
僕はソフトウェアのエンジニアです。当社の製品は、センサーから発する超音波で配管の厚みを測る装置です。センサーから受け取った超音波のデータを人が見ても分かるような状態になるよう、厚さをミリ単位で表示するソフトウェアの開発をしています。
現状はPCにインストールして使うアプリケーションなのですが、Web上でどこからでも見ることができるアプリの開発にも取り組んでいます。
- 深山さん:
-
私はバックオフィス業務全般を担当しています。研究開発と営業を除く、すべての事務仕事に関わってきました。経理、財務など後からのメンバーに引き継いだ業務もありつつ、法務、広報のほか、人事として採用活動も担当しています。
※補足:こちらがパルサーモジュール。雄也さんは生産技術の他にこちらの設計にも携わっている。一方、智季さんはこのパルサーモジュールを介した情報をシステム上で可視化するソフトウェア開発に従事している。
―皆さん経験者として中途入社されているかと思いますが、CASTに入社した背景を教えてください。
- 雄也さん:
-
僕は宮崎出身です。熊本大学に進学したときに、初めて熊本に来ました。4年生になるときに、現在は当社の社長である中妻の研究室に入り、大学院も含めると合計3年間、センサーの研究をしていました。
卒業後は、自動車部品メーカーに就職。生産設備の設計業務を5年間していました。
転職を考えるようになったきっかけは、このままずっと同じ会社で働いていても、仕事の幅が広がらないなと思ったこと。それに会社の将来性にも不安を感じていたんですよね。それなら早いうちにいろいろな経験をして、どこででもやれるようなスキルを身に付けたほうがいいのかな?と思うようになりました。
そういったタイミングで、たまたま九州へ帰省の折に大学の研究室に遊びに行った際、中妻から「会社を始めたんだけど、こない?」と声をかけてもらったんです。
―当時のCASTは創業したばかりだったそうですが、よく大きな決断をできましたね。
- 雄也さん:
-
前の会社はお堅い会社だったので、どうせ転職するなら全く逆の方向も面白いのかなと思って(笑)。
センサーについても、これからはいろいろな物理量をデータに変換するという需要がどんどん増えていくと思っていたので、成長性にも魅力を感じました。
―一方、智季さんは、中妻社長の教え子ではないんですよね。
- 智季さん:
-
ええ、僕は東京出身で、大学も東京でした。新卒で情報システムの会社に就職しまして、10年間働いていました。従業員は400人くらいでしたが、親会社はそこそこ大きな会社でしたね。
仕事内容は、システムの要件定義から、設計、開発、試験、リリースまで、ひと通り経験させてもらい、最後のほうは管理を任されていました。
―それだけ聞くと大手で申し分ないキャリアを歩まれていたのではという印象ですが、智季さんが転職を考えるようになった理由は?
- 智季さん:
-
前の会社では、管理側になっていくことがキャリアのステップアップなんですが、ものを作らなくなると、仕事が面白くないと感じてしまったんですよね。周りの方々も、システムの中身よりもお金と数字だけを見て管理しているといったような雰囲気で。
もともと僕がシステム開発の会社を選んだのは、いろんな業界のいろんなものづくりに携われるから。ものを作れなくなるのはつまらないという思いは大きかったです。このままいっても、幅がないというか。
―智季さんとCASTとの出会いは?
- 智季さん:
-
CASTのことを知ったのは、中妻が、妻の大学時代のサークルの先輩だったことがきっかけです。
妻から「先輩が会社を立ち上げて、ソフトウェアエンジニアを探してるらしいんだけど、どう?」と聞かれたので、じゃあまずは話だけでもと。
不安よりも大きかった、テックベンチャーの魅力。
―入社を決めたポイントは?
- 智季さん:
-
センサーについては正直、知識がなかったんですけど、自分の幅が広がるという意味で面白そうな業務内容だなと思いました。
求められる仕事内容についてはあまり具体的な提示はなかったんですが(笑)、「たぶんできると思います」「じゃあ、よろしく」みたいな会話も自分には合うなと思いました(笑)。
もう1つは、リモートワークができること。うちは妻と共働きをしていて、子どもが2人いるんですが、毎朝「早くご飯食べて!」「早く着替えて!」と、急かしてばかりの生活に疲れちゃったんですよね(苦笑)。ですから転職するときは、在宅で仕事ができる会社を探していたんです。
―安定した会社を離れる不安はなかったのですか?
- 雄也さん:
- 僕は全然なかったですね。定年間際になって会社がなくなるよりは、今のうちにいろいろな経験をしておいたほうがいい。転職市場も前とは変わってきていて、今は人手不足。どこも大変なので、多少チャレンジングな環境に身を置いたとしてもたぶん、職には困らないと思っていました。
- 智季さん:
-
僕の場合は、共働きということもあって経済的な不安はなかったですし、あとは雄也さんも言ってましたけど、何より自分の経験の幅ですね。まず自分のためになる。もちろん、いつつぶれるかわからないというベンチャーとしての不安はあるんですけれども、それ以上にスキルが得られるのであれば、挑戦する価値はあると思いました。もしここが立ち行かなくなっても、ソフトウェア業界は今引く手あまたなので、個人的にはなんとかなるだろうと思っていましたし。不安よりも、経験が得られる価値のほうが大きいと思っていました。
めったにできない経験だと思うんですよ。ベンチャー企業で、しかもシステムエンジニアがいない段階から入れて、そこでシステムエンジニアの第一人者としてやっていけるって、けっこう貴重な経験だと僕は思っています。
- 雄也さん:
-
それはありますよね。今入っておけば、そういうポジションになれるというのも魅力。影響力は、前の会社だと何万分の1ですけど、この会社だと何分の1だから。
社員1人1人に大きな裁量
―実際に入社してみていかがでした?ギャップはありましたか?
- 雄也さん:
-
もちろんありました。入社当時は社内制度など、前の会社では当たり前にあったものがなかったですし(笑)。でも案外、苦労はしていないのかもしれない。自由にやらせてもらっていたので。
- 智季さん:
-
僕も、決まりがないことに初めは戸惑いました。
何かをやるときに、上司に許可を取る制度がないんですよ。例えば、物品を買うときとか。普通は上司に言って、承認が取れたら買う、という感じだと思うんですけど、ここは誰でもいいんです(笑)。誰かに「これ買っていいよね?」と聞いて、「必要ならいいんじゃない?」と賛同を得られたら買っていいみたいな。まぁ組織も小さいですし、目が行き届くので、無駄なものを買うことなんてないんですけど、普通はもうちょっと承認フローとかあるはずじゃないですか(笑)。だから最初は何回かドキドキしました。
- 深山さん:
-
うちは必要な人が、必要なものを、必要なぶんだけ買えばいい、というスタンス。
今後、教育が必要な社員が増えてきたらまた仕組みが必要になってくると思うんですけど、今はそんな感じですね。何が必要かは、その本人がいちばんわかっていますから。
―ちなみに、お休みを取るときはどうするんですか?
- 智季さん:
- 入社して初めてお休みをいただくとき、有給ってどうやって取ればいいですか?と聞いたら、「Slack(社内コミュニケーションツール)で有給ですと投稿してもらえればいいです」と言われました(笑)。
- 深山さん:
-
投稿したらみんなから「いいね」のスタンプがきます(笑)。
有給を取る人は当然、その日が締め切りじゃないとか社内外に影響がないかとかを考えたうえで「休みます」と言うはずだと。一人一人が自律しているという前提を持っているので、何も止める理由がないんですよね。
ソフトウェアのエンジニアが、はんだ付け。新しい技術も手を伸ばして取る
―設計・開発の雄也さんと、ソフトウェアエンジニアの智季さん。お2人で1つのプロジェクトを担当する場合も多いですか?
- 雄也さん:
-
基本的に、みんなちょっとずつ関わっていますね。
- 智季さん:
-
センサー側と、センサーから上がってきた情報を可視化するソフトウェア側で、共同して開発することが多いです。
- 雄也さん:
- そうですね。Webで打合せしたり、必要に応じて対面で一緒に作業をしたり。対面の場合は、智季さんが熊本に来ることが多いですけど。
―東京から熊本出張の頻度はどのくらいでしょうか?
- 智季さん:
-
出張自体は月に1回あるかないかです。その代わり、モノの送りあいはよくしています。
直近だと、無線機器とモジュールを熊本に送って、雄也さんにはんだ付けだけお願いしてまた送り返してもらったり。
―はんだ付け?智季さんって、ソフトウェアのエンジニアですよね?はんだ付けが業務上必要になるシーンがあるんですか?
- 智季さん:
-
意外とありました(笑)。今はWebシステムにデータを飛ばすために無線機器を使っているんですけど、その無線機器にプログラミングするためのコネクターみたいなものが別売りであって。それを接続するときに、はんだ付けしないといけないということになったんです。
はじめは「自分ではんだ付けしていいですか?」とSlackで聞いてみたんですが、はんだ付けの経験もなく自宅に作業台があるわけでもないので、さすがにそれは危ないからやめときなさいと言われました(笑)。
余談ですが、実ははんだ付けについては、プライベートでその知識が役立ったんですよ!子どもが以前夏まつりでもらってきたおもちゃを落として壊しちゃったんです。分解してみたら配線が切れてたので、自分ではんだ付けをして直しました。前職時代には断線をつなぎなおして子供のおもちゃを修理するなんて考えもしませんでしたし「お父さん、逆にこわしちゃうでしょ」とからかわれていたのですが、父親の威厳を保つことができました(笑)。
- 深山さん:
-
たぶん前職では身につかないスキルですよね(笑)。
彼はソフトウェアのエンジニアなんですけど、ソフトの手前にはやっぱり、物理現象があって、その仕組みまで知らないと、作れないんですね。
「僕は担当じゃないんで」と割り切るのではなく、必要な人が必要な技術を勉強して、自分で取りに行く。広い領域を数人で分け合っているうちならではの光景かと思います。
研究室発ベンチャーならではの"ふわっと感"。必要なことは自分で調べ、考え、挑む
―具体的にはどのような流れで仕事が進んでいくのでしょうか?
- 智季さん:
-
先程の無線機器の件でいえば、元をたどると中妻から「こういう機器があるから、調べて使えるようにしといて」みたいなふわっとした指示がきたんですよね。協力関係にある会社さんもそれを使っているから聞いてみて、とアドバイスをもらったので、そのあとは自分でコンタクトをとって、話を聞かせてもらって、あとはマニュアルなどを見ながら開発を進めていった感じです。
―ソフトウェアエンジニアである智季さんに、無線機器についての指示がきたのですね。専門外というか、意外な感じがするんですが、なぜ智季さんに依頼があったのでしょうか?
- 智季さん:
-
……何ででしょうね?(一同爆笑)
何で僕だったのかはわからないですけど、必要だったからやった感じです。
たぶん一般的に無線機器うんぬんというのは、ネットワークエンジニアと呼ばれる人たちの仕事だと思うんです。ただ、ここにいるエンジニアの顔ぶれを考えたときに、いちばんとっつきやすそうなのが僕だったということだと思うんですね。誰の担当業務にいちばん近いかということだけだと思うんです。その分野というか、その守備範囲に。
雄也さんが今、回路の設計をやっているのも、そういう経緯ですよね?
- 雄也さん:
- そうです。もともと前職では生産設備の設計だったんですけど、電子回路の設計をやりだしたのもたぶん、いちばん近いところに僕が立っていたというだけだったと思います。「テレビのリモコン取って」くらいのレベルで、新しい技術ややるべきことを取りに行っています(笑)。
―新しい技術を習得されるにあたってはご苦労もあったのでは?
- 雄也さん:
-
そうですね。回路設計に関してはほとんど経験がなかったので、中妻から教えてもらった情報をもとに、自分で調べて、これとこれを組み合わせたらいけるかなぁ?みたいな。あとは自分でやってみて、ですね。うまくいかないことのほうが多いですけど(笑)。
でもちゃんと調べれば、自分がおかしいことをやっていたことがわかるんで、それを見つけたときは、アハ体験みたいな感覚で脳トレになるというか(笑)。
- 深山さん:
-
そういう雰囲気って、やはり弊社のルーツが大学の研究室にあるからだと思うんですよね。
大学の研究室って、先生からお題だけ飛んできて「これ調べてやってごらんよ」っていうスタイルみたいなんですね。
「何を、いつまでに、こういう手順でやってきなさい」というのはただの作業指示。そうではなく、自分で「あーでもない、こーでもない」と考えながら、もしかしたら予想以上の結果を出す、ということが研究室では日常的に繰り返されていて。
それに近いことを、うちのエンジニアたちは開発という業務の中でやっているんだと思います。
- 智季さん:
-
苦労もありますが、それ以上に達成感もあるんです。今まで知らなかったことができるようになって、手がけたものがシステムとして動く、商品として動くというときは、かなりの達成感が感じられるので、僕は面白いなと思いながら働いています。
- 雄也さん:
-
動かなかったときはイライラするんだけど(笑)。でもそのぶん、動いたときの喜びも大きい。
最初の頃はとりあえず真似というか、中妻が設計したものを真似していた段階だったんですけど、自分にもいろいろな知識がついてきて、これはこういう理由でこうなってるんだ!とわかったときに面白いと感じます。
CASTにむいている人は「"ふわっと"を形にできる人」
―自分の成長やスキルアップを感じる瞬間があるということですよね。CASTで仕事をするうえで大切にしていることもありますか?
- 雄也さん:
- 僕は量産の責任も負っているので、納期遅れなどをしないようにお客様に製品を届けることが大事。そのためには、仕様などに関する細かい情報を明確にしておかないといけないので、中妻のふわっとした指示を聞いて終わりじゃなく(笑)、しっかり情報を聞き出すよう心がけています。
- 智季さん:
-
システムを開発するうえで、事実と仮説(自分の感想)は分けて人に伝えるよう、心がけています。
それを特に感じるのは、中妻と業務について1on1でミーティングするとき。僕から中妻に伝わった情報が、中妻の判断につながっていく可能性があると思ったときに、仮説であったことが事実であるように伝わると困るわけで。そこはCASTに入ってからすごく気をつけるようになりましたね。前職と比べ物にならないくらい経営層に近いからこそ、情報を適切に伝えることの重要性を感じています。
―CASTにはどういう方が向いていると思いますか?
- 雄也さん:
-
今の段階では、個人の裁量に任される部分が他の会社より大きいと思うので、ある程度は自分で考えて、どういった方針で仕事を進めるかということを、自分で決められる人が向いているというか、そういう人じゃないと困っちゃうかなと思います。
逆に、向いていないのは、きちっとしたルールのもとで働きたいという人。「何でも自由だとどうしていいかわからない」という人は、働きにくいのかもしれない。
- 智季さん:
-
たしかに、自主性がないとやっていけないんだろうなと思います。
あと、さっき言ったみたいに、近い人が仕事を取りに行くことがどうしても必要になるので、「僕の仕事はここだけだ」とか、「僕はここのプロフェッショナルなんだ」という人だと、苦しいかもしれないですね。「ちょっとこういうところが足りないから、そこを取りに行ってよ」「そこやっといてよ」と言われたときに、「そこは自分の領分じゃないです」と言われちゃうと、立ち行かなくなるのが、今の環境なので。
いろんなことに興味があって、やたら首を突っ込みたがる人がいますけど、そういう人のほうがむいていると思いますね。隣の席でバグやエラーが出て困ってる人がいたときに、なぜか当人よりもテンション上がって一緒に考えちゃう人、システムエンジニアだと結構いるんですよ。パズルとか脳トレみたいに(笑)。そういう人は面白いんじゃないかな。
- 雄也さん:
-
あと、今までにないものを作ろうとしているので、失敗のほうが多いんですよ。
- 智季さん:
-
そうそう。うまくいかないことが繰り返されると、つらいものはありますよね。
それにめげないことが大事だし、ときには「無理です」と言えることも大事だと思う。「僕1人では手に負えません、みんなで考えてもらっていいですか?」とか。
責任感が強すぎて、「1人でやらなくちゃ」となると、しんどくなるのかなと思います。
―そういうときに、助け合える風土や社員同士の信頼関係はありますか?
- 智季さん:
-
もちろん「助けて」という声があがれば、みんなで考えます。
中妻は広い人脈を持っているので、「この先生が知ってそうだから、聞いてみたら?」と外部の人を紹介してもらえることもありますよ。
「社長」と呼ぶ社員はほぼゼロ。熊本出身者も意外と少ない
―社員の方は熊本出身者が多いんですか?
- 雄也さん:
-
純粋に熊本出身の人は少ないですね。1人だけかな?
- 深山さん:
-
熊本に全く縁がなかった人もけっこういますよね。私(東京出身)もそうなんですけど。
だからあまり熊本色は強くないかも。社長の中妻を中心に、知り合いが入ってきて、その人がまた知り合いを呼んで…という感じですね。
ようやく最近は、人材エージェントの紹介で入ってきてくれるようになりました。
―社員には熊本大学の「中妻研究室」にゆかりのある方も多いかと思うんですが、智季さんは違いますよね。外から参加した社員にとっての働き心地はどうなんでしょう?
- 智季さん:
- 特に自分が外部だなあと感じたことはなくて。確かにもともとは「中妻先生」のもとに集ってきた人たちが多いですけど、だからといって「中妻先生」をすごく敬っているかというと、そうでもないんです。いや、いい意味で(笑)。敬ってはいるんだろうけど、すごく仲がいいなと思います。
―中妻社長の呼び方は?
- 智季さん:
- 僕は「中妻さん」ですね。
- 雄也さん:
- 僕は、研究室時代の名残もあって「中妻先生」と呼んでいます。働くうえではちょっとまずいので、どうしようかな?と思っているところです(苦笑)。
- 深山さん:
-
逆に、社内で「社長」って呼んでる人いますかねぇ?
- 雄也さん:
-
ふざけて呼ぶことはありますけどね(笑)。シャチョーって(笑)。
―皆さんのお話しからお人柄が伝わってきますが(笑)社員から見て中妻社長はどんな方ですか?
- 雄也さん:
-
穏やかですね。怒ったところは、ほとんど見たことがありません。親しみやすいので、我ながらいつも、社長に接する態度じゃないなと思ってます(笑)。前の会社の社長にこのノリでやってたら大変なことになるなと(笑)。
- 智季さん:
- 僕は、よくも悪くもテキトーなところがいいなと思っていて(笑)。そういうと語弊があるかもしれませんが、決めるところは決めつつ、期日さえ守れば自分が好きなようにやっていいというところはあるので、社員1人1人の裁量はすごくあります。
雰囲気はなごやか、でも目標は高く。世界への展開も見据えた開発に挑む
―これからの目標も教えていただけますか?
- 雄也さん:
-
ベンチャーは上場しないと面白くないと思うので、そこに向けて自分の力を活かしていきたいなと思っています。
100%可能性しかない会社ですから、大丈夫だと思っています。この会社がだめなら、他もないんじゃない?というくらい。
―「可能性しかない」ってすごいですね。そう思うに至る理由はなんでしょうか?
- 雄也さん:
-
入社当時にいちばん心配だったのは、人が入ってきてくれるか?だったんですけど、智季さんをはじめ、いろいろな人が来てくれて、ちゃんとした会社として順調に育ってきていますし。製品に対しても手ごたえがあります。
最初の頃は「どうなのかな?」という疑問があったんですけど、いろいろな会社が興味を持ってくれている状況があって。出資してくれている会社も、自社の命運をかけてくれているのがわかる。中妻の人柄かもしれませんけど、いろいろな会社や人を巻き込み、動かしているので、そこはすごく尊敬していますし、会社としても誇りを持っています。
―ご自身としては、今後どのような仕事がしたいという希望はありますか?
- 雄也さん:
-
そうですね。せっかく回路設計も経験したので、愛知にある工場をもっとスマート化、IoT化したいですね。うちのセンサーだけじゃなく、いろいろなセンサーを使って、データを集約して、生産品質の向上や歩留まりなどの改善ができたらいい。
もう1つは、海外進出です。前の会社でも海外で仕事をしてみたいと思っていたんです。この会社も、国内だけでは市場が限られるので、いずれは海外も視野に入ってくるはず。海外にも工場を展開するという段階になってきたら、真っ先に手を挙げたいと思っています。
- 智季さん:
-
僕はソフトウェアを作っていると言いましたが、僕自身が現在のアプリを作ったわけではなくて、最初に別の方が作ってくれたものを保守しているという形なんです。僕が実際に作っているのはWebシステムなんですけど、それを会社の商品・サービスとしてリリースすることが、いちばんの目標です。Webシステムであればインストールしなくても、どこからでも見られるし、スマホでも確認できるので、利便性が格段に上がるんですよ。お客様側にインターネットの環境さえあれば、導入しやすいシステムになってくる。そういう意味では会社として非常に大きな転換点になると思っています。
また、雄也さんと同じく自分も海外市場を視野に入れた開発をしています。Webシステムの中にも多言語対応を仕組んでいますので。グローバルに展開できるように、ネタは仕掛けているところです。
―最後に、これからCASTへの応募を考えていらっしゃる皆さんにメッセージをいただけますか?
- 雄也さん:
-
何も情報を知らないと、ベンチャー、スタートアップって、うさんくさいと思われがちですよね。
- 深山さん:
-
吹けば飛ぶ、とかね(笑)。でも、この2人のように、自分の挑戦の場として面白がってくれたらいいなと、すごく思うんです。人生のキャリアの1歩として。
- 智季さん:
-
個人的な感覚では、挑戦できるということはすごく大きいと思っていて。CASTはプラント業界の現状を覆す可能性を持っているし、世界に行けるだけの素地を持っている。挑戦したい人には、意欲をかきたてられる会社だと思います。実際に僕は入社してちょうど1年なんですが、自分のスキルが拡大していることは実感しています。
最近はお客様のところへも行かせてもらっていて、将来性も感じています。競合製品もありますけど、ハード側の展望とソフトウェア側の努力をマッチングさせていければ、優位に立てる製品を作っていけると思うし、会社もこれからどんどん大きくなると思います。
ただ、一方で、大学の研究室風な雰囲気もあるので(笑)、あまりガツガツした感じでもないんですよ。なので、「やってやろうぜ!」みたいな雰囲気の人だと、少しイメージギャップがあるかもしれないなと思います。
やろうとしていることは非常にチャレンジングで面白みがあるんですけどね。社内の雰囲気はなごやかなので、伝え方はすごく難しい会社だなと思います。
- 雄也さん:
-
確かに難しいですよね。ただ、成長はできます。だから、一般的な会社が合わないなと思ったら、試してみる価値はあると思います(笑)。
自分は転職したことで前職時代と比べて自由にやらせてもらっていますし、待遇もありがたいことに今は転職前とあまり変わらないくらいになっています。
- 智季さん:
-
まぁ、アットホームな会社ではありますので、安心して入ってきてください(笑)。
- 深山さん:
-
「アットホーム」というとまたうさんくさく聞こえるかもしれないんですけど(笑)、でも、本当にアットホームなんですよ。ベンチャーには興味はあるけれど、ギラギラ、ガツガツした感じが苦手な人もいると思うので、そういう人にはちょうどいい会社と言えるかも。
一度、会社の雰囲気を見に来てほしいですね。智季さんが言った「なごやか」の意味がわかると思います(笑)。
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