「株式会社クアンド」は2017年に北九州市で創業したスタートアップ企業です。社員はわずかに15名ほど。しかし、製造業や建設業など、現場仕事むけのコミュニケーションツール「SynQ Remote」を開発し、全国に展開しています。
これまで現場に足を運ばないとできなかった確認作業や検査業務を、遠隔地からリモートで行えるようにすることで、大幅なコスト削減や業務の効率化に貢献。その実績が認められ、2023年11月現在で50社に導入されており、資金調達の総額も累計で7億円に到達しました。2023年には経済産業省が推進するスタートアップ企業の育成支援プログラム「J-Startup」にも選定されています(2023年は九州で2社だけ!)。
そんな急成長の立役者の1人が、梅田絢子さんです。プロダクト事業の草創期に「クアンド」に中途入社し、営業戦略を一手に担当。執行役員CROとなった今も、マーケティングの最前線でタクトをふるい、「社内で最も忙しい」といわれている梅田さんに、現在のお仕事内容や、入社のきっかけ、スタートアップで働く醍醐味と苦労、今後のビジョンなどをうかがってみました。
梅田絢子(うめだあやこ)さん
福岡県北九州市生まれ。地元の大学を卒業後、東京のソフトウェア企業に就職し、パッケージソフトの営業を7年半担当。30歳になる直前に福岡へUターンし、人材サービスプラットフォームに関わる企業に転職。採用支援や採用管理システムの営業を経験。在職中に起業家とエンジニアを養成するスクールでも勉強を重ね、独立。2019年夏にフリーランスとして「クアンド」に参画し、2020年3月に正式入社。同年秋に事業部長、2022年冬に執行役員CROに就任。
地域産業の火を消したくない
クアンドに入社したきっかけを教えていただけますか?
- 梅田さん:
-
クアンドは、私が人材関係の会社で働いていたときのお客さんだったんです。
その後今のプロダクト事業を新規で始めると聞いたときに、私もちょうどフリーランスになっていたので、お手伝いを始めたのが最初です。当時、フリーとして4~5社の採用をお手伝いしていたのですが、クアンドがいちばん楽しかったんですよね。新しいものをゼロから作るタイミングだったのでそれが楽しそうだったのと、クアンドがめざすビジョンに共感したことが、いちばんの理由でした。
ビジョンのどういった部分に共感したのですか?
- 梅田さん:
-
いくつかあるんですけれど、私も北九州市出身なんです。昔は四大工業地帯と呼ばれていたのですが、私が生まれた頃からどんどん右肩下がり。でも実際に仕事で回ってみると、すごくグローバルニッチで、この会社しか持っていない技術で社会のインフラを支えている、みたいなことがあったりするんですね。
そういう会社さんが人手不足や技術継承ができないという理由で倒産していくのは、あってはならないことだと感じていて。そういう火を消してはいけないという私の思いと、クアンドが掲げている「地域産業・レガシー産業をアップデートする」というビジョンはすごく符合するなと思いました。
あと、これは下岡代表の考え方なんですが、アップデートすることでクアンド1社が儲かればいいと考えているわけではなくて、変わっていった会社たちにも利益が還元するような仕組みがあったらいいよねと。クアンドと一緒に成長していく、というようなモデルを描きたいという話をしていて、その考え方にもすごく共感しました。
売上の総責任者としてフル回転
―現在の梅田さんのお仕事内容について教えてください。CROとは具体的にどんな役割を?
- 梅田さん:
-
CROのRはレベニューという意味ですので、今は会社の売上全般の責任を負っています。
具体的には、リードを獲得するための施策の企画立案から、実行まで全部ですね。お客様に「SynQ Remote」というサービスを認知していただき、そこから興味を持っていただく、というところにいちばん注力しています。
たとえば今の売上から考えたときに、この売り上げを達成しようとしたら何件の受注が必要で、そのためには何件商談しないといけないのか。商談に行くためにはリードを何件獲得し、それだけのリードを集めるためにはどういうメディアに広告を出していけばいいのか。どういうイベントやセミナーを企画すればいいのか――というところからスタートして、実行までをまるっと担当しています。
具体的にはどのような施策に取り組んでいらっしゃいますか?
- 梅田さん:
-
オンラインであればWeb広告やオンラインセミナーを企画して集客したり。一方、効果が高いのはオフラインの展示会なので、年に4回は東京のビッグサイトなどで行われる展示会に出展しています。
展示会もブースのデザインをどうするのかというところから、当日も現場に立ってお客様と折衝するというところまでやっています(笑)。本当に毎日めまぐるしく頭も体もフル回転で、今後はそうした仕事もこれから採用するマーケターの方と一緒にやっていけたらいいなと考えています。
1年半、現場へ通い詰めて導入
佐伯拓磨CFOが、「大東建託さんに導入していただいたことが、業績の上でも、知名度を上げる意味でも、大きかった」とおっしゃっていました。大東建託さんとはどのようにして取引が始まったのですか?
- 梅田さん:
-
いちばん最初は、アクセラレーションプログラムといって、スタートアップの企業などが「こういうサービスをやります」みたいなプレゼンをする場があるんですけれど、そこで当社の製品に興味を持っていただいたんです。そこから導入まで、足掛け1年半くらいかかりました。現場での検証などを重ねながら、最終的には導入に至ったという経緯ですね。
その間、私も、北九州、箱根、岐阜、つくばなど、全国の建築現場に行かせていただきました。
リモートでの導入支援も可能な中、あえて現場に行く狙いがあったのでしょうか?
- 梅田さん:
- 現場に行って初めて気づくことがたくさんあるんです。私たちは毎週金曜にお客様からのフィードバックを全社員に共有しているのですが、なぜその機能が必要なのか?など直接目で見て、声を聞いて、体感することで腹落ちすることもたくさんあって。それを社内のエンジニアやデザイナーに説明して、一緒に改善してきました。ですから、お客様のおかげで「SynQ Remote」がより現場にとって使いやすい製品にブラッシュアップされていると思っています。
なるほど。現場だからこそ分かった課題って、例えばどんなものがありますか?
- 梅田さん:
-
例えば電波が弱いとか、夏場は暑すぎてスマホが熱くなりすぎちゃうとか。工事音がうるさすぎて声が聞きとりにくいという課題もありました。
最近の事例ですと、従来の「SynQ Remote」はスマホにアプリを入れて、アカウント登録して使うサービスとしてリリースしたんですね。これって私たちIT業界にいる人間からしたら、ごく当たり前のことじゃないですか(笑)。
でも現場の方、特に職人さんになると、「メールアドレスを持ってない」という方々も当然いらっしゃいます。一方、大手の方になると今度は「セキュリティ上、アプリを勝手に入れられない設定になっている」とか。
そういった課題があって、実際の現場ではなかなか利用が浸透しないという問題があったんですね。そこで最新の「SynQ Remote」は、アプリを入れなくても、ユーザー登録をしなくても、専用のQRコードを読み込んだらすぐにつながれるようになっています。それがないと、1つの現場に関わっているすべての会社さんにアプリを入れてもらって、アカウントを管理して…ということは、誰がやるんだ?ということになるわけですよ。効率化されるどころか、新しい業務を増やしてしまうことにもなる。そういうことって、実際に現場に行って、お客様に教えていただいたことなんですよね。
お客様からも評判のいい「ポイント機能」は最初から機能として想定されていたんですか?
- 梅田さん:
- あれは下岡代表がこの事業を始めたときから目玉にしていました。デスクワーカーのコミュニケーションと違って、現場でのコミュニケーションは横並びで一緒に同じものを見ながら、指をさしながら話すっていうことがメインなんです。オフラインでやっているコミュニケーションをそのままリモートに乗せるためには、現場で指をさしている体験と同じ体験がリモートでもできることが大切だったんです。
オリジナル作業服も製作。現場の人の気持ちになって考える
クアンドオリジナルの作業服もあるそうですね。
- 梅田さん:
-
はい、全員分作りました(笑)。現場って小さなモノひとつでも落とすと大きな事故につながりますし、作業をするときには軍手をしないといけないとか、いろんな制約があるなかで働いていらっしゃるんですね。だからうちもスマホが触れる軍手を作ったんですけど(笑)、そういうことも、同じ目線に立って初めてわかることの1つでもあると思います。
現場の方々むけのサービスって、今までなかったわけではなくて、世の中にごまんとあるんですよ。けれど共通する課題は、「現場で使いづらい」ということだったと思うんです。確かに理屈としては、「これがあったほうが便利じゃん」なんですけれど、現場に行くと逆に不便と感じることや、「紙でやっているのには理由があるんだね」というようなことがあるんです。
ただ、そうはいっても、ずっとそのままでは何も改善されないままなので、今リアルでやっている体験をデジタル上にどう乗せるか、みたいなところはすごく大切にしてきたポイントの1つですね。
現場ならではのコミュニケーションの難しさもありましたか?
- 梅田さん:
-
現場で働く方々は平均年齢も高いですし、ITリテラシーも高い人ばかりではありません。例えば遠方の方であれば、お打合せはZOOMでやりましょうとなるんですが、ZOOMの立ち上げ方からサポートすることがあったりだとか。あと、スマホにアプリをインストールする時に、いちばん最初につまづくポイントは、「Apple IDがわからない」なんです(苦笑)。
うちのカスタマーサービスは、そういうところからしっかり寄り添って伴走してくれています。実際、東京のあるメーカーさんからは、数あるサービスの中から「SynQ Remote」を選んだのは、「ここまでの提案で、すごく寄り添ってくれたから」と言っていただきました。
手作り感満載。毎日が文化祭前夜みたい
入社当時はどんなお仕事をされていたんでしょう?
- 梅田さん:
- 最初は営業をしていました。といってもPoCやPM的なことをしたりしていました。製品リリース時には、まずはプレスリリースを書いて、記者会見を開いたり。そこから入ってきたお客様と商談をして、その後の導入もやっていました。だんだん人が足りなくなってきたので、CSとセールスに入ってもらうことになったのですが、その採用も私がやったり(笑)
スタートアップならではの大変さもあったのではとお察ししますが…
- 梅田さん:
-
最初はすごくギャップを感じました。もともとベンチャー気質の会社にいたのである程度は想定していたつもりでしたが、何百人体制の企業からこの10人足らずの会社に入ったときには、「何もない…」というのが率直な感想でした(笑)。
何がなかったんでしょう?
- 梅田さん:
-
もう、ほんとに、びっくりするくらい何もないんです。あるものを数えた方が早いというくらいでした(笑)。
例えばプロダクトをリリースする前に、POC(Proof of Concept/概念実証)を実施しましょうということになったのですが、正直、プロダクトもまだ完成していませんでした(笑)。もちろん私はPOCなんてやったこともないですし。何をすればいいのかもわからないなかで、「ちゃんとお金をもらってやろうよ」ということでとにかく動いていたのですが、内心、プロダクトすらないなかでどうやってそれだけのお金をもらうんだろう?と思ってはいました(苦笑)。
でもそのPOCの提案書を作って、お客様に説明してみたいなところから実際にご契約いただいて、実証実験もさせていただくことができました。それがちょうど4年前ですね。今思うと、よくお金を出してくださったなと思いますよね。
そのときは、どういう気持ちで提案書を作っていましたか?
- 梅田さん:
-
「やるしかない」という気持ちだけですよね(笑)。やらないことには進まない、みたいな。(隣で聞いていた佐伯CFOと笑いながら)あのころの記憶、ないよね。
今でもよく社内でも話すんですけど、毎日、文化祭前夜みたいな感じなんです。手作り感満載で、かつ、明日本番だからという高揚感と、間に合わない!みたいな焦燥感と。そんな感じの日々ですね(笑)。
仕事はリモートワークが基本。自律した働き方
現在の働き方としては、どのような感じですか?
- 梅田さん:
-
私自身は福岡市在住です。うちはリモートワークが基本なので、大名オフィスに来て仕事をすることもありますし、自宅で仕事をすることもあります。
朝はゆっくりめですね。8時に起きて、9時くらいにその日の個人タスクを確認して、9時15分から10時までは定例のミーティング。それからは、お客様との商談が1日詰まっている時は自宅で。社内の打合せがあるときはオフィスに来て、という感じです。あとは、イベント出展時やお客様訪問時は東京や大阪に行ったり。
商談も基本的にはZOOMです。どこかのタイミングで直接訪問、ということはあったりしますが、最初から最後までオンラインで完結するお客様もいらっしゃいます。
仕事が終わるのは何時くらい?
- 梅田さん:
- 立て込んでいる時は深夜までやることもありましたけど、最近は体力的に無理なので(笑)。その時々によって波がある、というのが正直なところです。基本的に日中はお客様や打ち合わせに使っていることが多くて、17時を過ぎてからが自分の作業時間になっている感じです。
やはり毎日お忙しいですか?
- 梅田さん:
- そうですね。おかげさまで最近になって、1日が商談で埋まるようになりまして。すごくありがたいなと思っています。逆に、埋まっていないときのほうが苦しいので。
そこまで忙しいなかで、自分の時間は持てていますか?
- 梅田さん:
- もちろん!やっぱりリモートになったことによって自宅時間を過ごせるので、そういう意味では、バランスよく働けていると思いますね。休みはカレンダー通りにしっかり休んでいますし。
お休みは何をして過ごしていらっしゃるんですか?
- 梅田さん:
- 最近プライベートではまっているのは、麻雀ですね(笑)。最近覚えたんですよ。友達と楽しむことが多いんですが、会社の人も誘ったりしています。
金曜日の夕方はゼロ次会。お酒を片手にフリートーク
社内の雰囲気はどんな感じですか?
- 梅田さん:
-
平均年齢は33歳です。20代も多いのでエネルギッシュですし、職種を問わず、ユーザー思考が強いメンバーが多いことが自慢の1つなんです。
例えばうちのエンジニアたちは、お客さんがどういう業務でそれを使うんですか?とか、そのお客さんって普段どういうことしているんですか?とか、現場ってどんな環境なんですか?ということにすごく興味があるんです。決まったものを作るというよりは、自分たちでこういうものがあったらいいんじゃないかというのを考えることが好きなメンバーが多いなと。
カスタマーサービスのメンバーも、ただ単に説明するというよりは、お客様がどういうふうに使ったら本当に効果が出せるか、ということをしっかり寄り添って考えています。単に職務をこなすのではなく、本当にお客様のことを思っているメンバーが多いです。
仕事以外の話でも盛り上がるような関係性ですか?
- 梅田さん:
-
仲はすごくいいと思います。金曜の夕方は全社ミーティングとして全員出席する会議を開いています。開発サイド、ビジネスサイドそれぞれの立場からその週にあったことや実績を共有するのですが、それが終わった後は、いつも、「ゼロ次会」をしているんです。ゼロ次会ではテーマを決めず、なんでも話してOK。お酒を片手にやるような感じですね。うちは子育て中のメンバーが多く夜飲みに行けない方もいますので、こういった形で誰でも気軽に参加できるようにできればいいなと。
金曜の17時からはゼロ次会で、盛り上がったらそのまま1次会に移行します(笑)。おなか減ってきたねとか言って、外に行くことも多いですね。大名~赤坂界隈はおいしいお店には困りませんから(笑)。
飲み会はどんな雰囲気?
- 梅田さん:
-
なんだかんだ言って、ずっと仕事の話をしている気がします(笑)それぞれの視点から見たときに、「これが課題だと思う」とか、「俺はもっとこうしたほうがいいと思う」というようなことを延々と(笑)。みんな仕事が好きだし、会社が好きなんだと思います。
今どき合宿とか社員旅行とか、嫌がられることも多いと思うんですが、うちは毎年やるんです。しかもみんな、次どこ行くんですか?って前のめりに楽しみにしています(笑)。
社員旅行!印象的だったエピソードはありますか?
- 梅田さん:
-
去年は佐賀県の唐津に行きました。その前は沖縄、その前は武雄。久山や長崎にも。お金もそんなにないので(笑)、九州のいいところを探して行っています。
去年の唐津では全員がひざを突き合わせて、会社のVALUESを作りました。丸1日、喧々諤々、やりましたね。観光もなし(笑)。あっという間に夕方になって、みんなで居酒屋に行って、カラオケに行って……盛り上がりました。
意外ですね。勝手ながら、もっとドライな感じをイメージしていました。
- 梅田さん:
- けっこう昭和なんですよ(笑)。スタートアップってドライなイメージがあるかもしれませんけど、うちはそういう意味では、ウェットなところも多分にあると思います。
自分で考え、実行する醍醐味
これからクアンドさんではどういう職種・ポジションの方を求めていらっしゃいますか?
- 梅田さん:
- いちばんは、マーケティング全般をやってくださる方ですね。「SynQ Remote」を多くの方に認知していただき、多くの方に価値を届けるための施策を、ゼロベースで考えてほしいと思っています。従来の枠にとらわれずに、私たちのターゲットにいちばん届く施策を一緒に考えてほしいなと思います。
対象となるのは、どんな方でしょう?マーケティングの専門的な知識や経験が必要でしょうか?
- 梅田さん:
-
マーケティングの実務経験よりも、新しく作り出すということにチャレンジしたい方であればどんな方でもチャレンジしていただけると思います。
デスクワーカー向けのSaaS等とは違って、私たちのお客様はリアル接点のほうが効果が高い場合もあります。マーケティングの上流工程の設計から、広告運用のみならず展示会の運営まで幅広く担当して頂くことになります。
だから私たちのミッション・ビジョンに対して共感・理解があって、ハードルが高い挑戦を心からやりたいと思ってくださる方であれば経験は問いません。私もやったことのないことばかりやっていますので(笑)、いちから自分の頭で考えてやってみるということに抵抗のない方と一緒に働けると嬉しいなと思います。
クアンドさんとは業務委託でお仕事をしている方も多いとうかがいましたが、業務委託ではなくフルコミットだからこそできることってありますか?
- 梅田さん:
-
業務委託の場合は、プロセスの中の1つの業務を行うことが多いと思うんですね。これだけやってくれ、みたいな条件もいろいろと固まっていたり。でも今のタイミングでフルコミットで入っていただければ、お客様のことをよく理解したうえで最適解は何か、何にどれだけお金を使いたいか、というところから柔軟に考えていただくことができるのはかなり醍醐味だと思います。
あともう1つ、うちのすごいところは直談判できる、というところかなと。基本的には経営者からこの予算内で…という話が下りてくるわけですけれど、「いや、これだけのことをやろうと思ったらもっと必要ですよ」というようなことを、逆に直接意見してもらうことも大歓迎で。そうすると、CFOの佐伯がそれなら調達ストーリーをどうしようか?と一緒に考えてくれる。今、何が必要なのか、それに対してどういうアクションが必要か、ということを自分で考えて、実行できる方にとっては、すごくやりがいのある環境だと思います。
高い壁のむこうにひろがる、無限の可能性
クアンドという会社・事業の可能性について、どうお考えですか?
- 梅田さん:
-
私たちが対峙している現場仕事のお客様って、本当に可能性に満ちていると思います。いわゆるDXが遅れているからこそ、ITの力で改善できる余地がとても幅広いんですね。その分ハードルも高いわけですけれど、それを実現した暁には、業界レベルで大きな改革が実現できると思っています。
現場の方のお話を聞くと、すごく過酷なんです。施工管理の方々はデスクワークがメインのお仕事であるにもかかわらず、日中はあっちの現場、こっちの現場という感じで移動しているので、デスクワークは日が昇る前、つまり現場が動く前にやって、日が暮れて現場が閉じた後にメインのお仕事をされる、みたいな感じなんですよ。「どんなにお給料がよくても、使う時間がない。人間らしい生活ができていない」という声も少なからず耳にします。それだとやっぱりなり手も不足しますし、若い方はこの業界から離脱してしまいます。一方でそういう現場の仕事が私たちの生活を支えているインフラだったりするので、絶対になくてはならない仕事でもあって。だからこそ、この産業とともにクアンドもいっしょに成長していけたらと思っています。
梅田さんの夢といいますか…実現したい未来のイメージはありますか?
- 梅田さん:
-
夢!夢かあ…そうですね……。
日本ってもともと輸出大国だったじゃないですか。でも最近は海外で作って、海外で売る、みたいな状態になっていると思うんです。では次に日本が外貨を稼ぐために何ができるかというと、日本人の”現場力”だと思っていて。私たちの「SynQ Remote」が発達した暁には、日本の技術者が持っているノウハウを日本にいながら全世界に輸出することができると思うんですよ。
例えば日本って、地震があってもちょっとやそっとのことじゃ、家屋が壊れるなんてことないじゃないですか。でもトルコなんて、地震があるたびに、家屋や街が倒壊していますよね。建築基準法自体はそんなに変わらないのに、現場レベルで徹底されているものが違うがゆえに、こういうことが起きているんです。
であれば、日本の住宅建築技術を、トルコに輸出するみたいなことはできると思うんです。そういうことを会社としては実現していきたいなと思っています。
あと個人的には、3K(きつい、汚い、危険)と言われる業界で働く人たちが、夕食をご家族と一緒に囲めるだとか、お子さんの運動会に行ける、みたいな環境ができたらいいなと思っています。
またこれから超高齢化時代に入っていくわけですけれど、仕事って人生のやりがいを占めている部分が大きいと思うんです。ベテランの職人さんが、現場に赴くことなく自宅にいながら現場の若手たちをサポートするみたいなことができれば、若手も助かりますし、ご高齢の方自身もやりがいも継続して持っていただけるんじゃないかと思っているんです。第一線を退いた後も、それまで培った経験を活かして社会に貢献できる仕組みが作れたらなと思っています。
素敵な夢を聞かせてくださってありがとうございます。実現のための課題はどこにあるとお考えですか?
- 梅田さん:
-
「SynQ Remote」をいちばん使っていただきたいのは、誰よりも人手不足で困っている町工場の方々です。でもそういう方々って、今すぐに導入できるかというと、業界の商習慣が変わらないことには、導入しても"おもちゃ"になってしまう。そこの方々にしっかり使っていただくようになるには、業界の商習慣を作っている上流の方々から変わっていただく必要があると思っています。
私たちが今、壁としてぶつかっているものは大きく2つあって、それは法律と商習慣なんです。法律を動かすためには、国を動かさないといけないし、そのためには大きな業界団体となっているような会社さんに変わってもらう、あるいは私たちの努力で変えていく必要があると思っています。
梅田さん、お話を聞いているとずっと前を向いて未来の話をして…すごくポジティブですね。あきらめてしまいそうになることはありませんでしたか?
- 梅田さん:
- ありますよー!(笑)。「できない!」「もう無理!」と思ったことも何度もあります。でも、またがんばっちゃう。それは結局、ここでみんなとチャレンジしているこの日々が、楽しいからなんだと思いますね。
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