- コロナ禍でも過去最高の利益を記録
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リゾートホテルでもない、旅館でもない、「リゾート旅館」という新たなカテゴリーを佐賀県で開拓し、成長を続けているのが、有限会社蟹御殿です。太良町に「蟹御殿」、武雄市に「風の森」を展開。テレビ番組「全日本温泉宿アワード2013」で「蟹御殿」がグランプリに選ばれてからは、東京や大阪、海外からの宿泊客も増え、客室の稼働率は年間を通じて90%以上。コロナ禍だったこの2年間も85%に迫るなど、根強い人気ぶりを証明しています。また営業自粛を余儀なくされていた期間にコストを見直し、社員教育を強化したことで、逆に過去最高の営業利益、経常利益を記録しました。
- 少人数を上質な空間とサービスでもてなす
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コロナ禍の逆風をものともしない経営体質の強さの秘密は、「リゾート旅館」という独自のスタイルにあります。リゾートホテルとの最大の違いは客室の少なさ。「蟹御殿」は21部屋、「風の森」は11室。団体客をターゲットにするのではなく、少人数の宿泊客を、上質な空間とサービスでもてなすスタイルです。なかでも「風の森」は全室が離れ形式になっており、他の客と接触することなくプライベートな旅時間を楽しめる点が、特にコロナ禍では大きな強みになっています。
一方の「蟹御殿」は有明海の海辺に立地しており、ほぼ全室がオーシャンビュー。国内最大の干満差を誇る有明海の絶景が楽しめるうえ、竹崎カニや竹崎カキなど新鮮な海の幸も堪能できます。
そして両施設に共通しているのが、温泉施設の充実と、宿泊客の満足にとことんこだわったきめ細かなサービス。「また来たい」と思わせる多彩な仕掛けが、国境を超えたリピーターの獲得と安定した経営につながっています。
- 若い人材に選ばれる理由
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社員は現在45名。この4年間で18名を新卒採用しており、若い社員がどんどん増えているのも同社の特徴です。出身地も幅広く、2021年度の新人社員は全員佐賀県以外の出身だったとか。全国的に有名な観光地にあるわけではなく、規模もまだまだ小さな同社が若者たちに選ばれているのにも、理由があるようです。まずは、小規模の宿だからこそ、宿泊客1組1組とていねいに向き合えること。固定化されたマニュアルに縛られることもなく、それぞれの宿泊客の旅の背景やニーズによりそったサービスを自ら考え、提供することができます。
社員教育にも力を注いでおり、荒川信康社長を中心に毎月勉強会を行うほか、サブリーダー以上にはマネジメント研修を実習。2021年には数百万円の教育コストをかけて「自分の成長と会社の成長をつなげる」をテーマにした特別セミナーも開講しました。業務上に必要な知識を習得するだけでなく、人として成長していくための学びを得る機会が豊富に用意されているのも同社の魅力でしょう。 - 話題性満載の新施設がぞくぞくオープン
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今回のコロナ禍は、会社の方向性を再確認するきっかけになったと荒川社長は話します。「旅行業界のニーズを確信しました。人はやっぱり旅をしたかったんだなと思う。人には、旅をすることで心と体を本来持っている良い状態に戻したいという本質的な欲求があるんですよ」。そうしたニーズに応えてゆくために、新たな施設の計画も進んでいます。2022年夏には新たな温浴施設をオープン。パナソニックが開発した瞑想ルームを全国に先駆けて導入する予定です。さらに同10月には西九州新幹線の開通に合わせて、「奥嬉野温泉 無名滝」をオープン。全室から壮大な滝が眺望できる個性的な宿は大きな話題を呼びそうです。
「佐賀にはものすごいポテンシャルがあります。その魅力をもっと発信し、旅で世界をハッピーにしたい」と語る荒川社長。その視線の先には、出身地である唐津への進出など、新たな夢と戦略が次々と描かれているようです。



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会社概要
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- 株式会社GOTENリゾート
所在地 | 佐賀県藤津郡太良町大浦乙316-3 |
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URL | https://www.kanigoten.com/ |
代表者 | 荒川信康 |
資本金 | 500万円 |
設立 | 1991年7月 |
従業員数 | 70名 |