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- 先進的な事業展開で、「うなぎ業界地図」を塗り替える
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うな丼、うな重、蒲焼に白焼…と、今や国民食ともいうべき「うなぎ」の加工生産量日本一を誇る、鹿児島県。そんな“うなぎ県”の西部、薩摩川内市の中心部から一級河川・川内川に沿って国道267号線を北上。ほどなく、2棟の工場を擁する薩摩川内鰻の社屋が見えてきます。
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主力商品は「うなぎの蒲焼」。選び抜かれた鹿児島・宮崎・熊本産の活鰻だけを使用し、備長炭に近い波長のヒーターや過熱水蒸気システムなど、最先端設備を備えた加工ラインで焼き上げた蒲焼は、表面はパリッと焼き色鮮やか、中身はふっくら柔らかな極上品。「職人も驚くほど絶妙の焼き加減」と好評で、全国の百貨店、スーパー、コンビニを通じてエンドユーザーに届けられています。
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活鰻の安定供給のために自社養鰻場を運営し、生産・加工・販売に至る一貫体制を構築。また創業後すぐにHACCP*¹を取得し、トレーサビリティ*²も確立。さらには行政との連携によるブランド化にも積極的に取り組み、薩摩川内市認証のロゴマーク「薩摩川内スピリッツ」マークの使用第一号商品の認可を取得。こうした先進的かつ戦略的な事業展開で着実に成長し、業界では後発でありながら、業界大手のポジションも視野に捉え始めています。
*¹HACCP…食品を製造する際に工程上の危害を起こす要因を分析し、それを最も効率良く管理できる部分を連続的に管理して安全を確保する管理手法。
*²トレーサビリティ…生産、加工及び流通の特定の一つまたは複数の段階を通じて、食品の移動を把握すること。
- 「うなぎ加工」で磨いた知見を、新商品開発に生かす
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「コロナ禍の巣ごもり需要を背景に、このところ2棟の工場はずっとフル稼働。時にはご注文をお断りせざるをえないほどの忙しさです」と話すのは、管理部の森﨑部長。順調な業績に満足することなく、商品力強化と組織強化の両面から、事業拡大に向けた新たなチャレンジにも乗り出しています。
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同社の理念は、食を通じて家庭に幸せと感動をお届けすること。蒲焼が事業の柱であることには変わりありませんが、今後はより積極的に新商品開発や新事業開拓に取り組む方針です。2021年11月には社内に商品開発部を新設し、「うなぎプラスアルファ」を目指す中長期戦略がより鮮明に。同じく2021年春には、自社ECサイトがカットオーバー。自社製品のブランド化に道筋をつけました。
- 成長途上の社内は、自己成長のチャンスだらけ
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「商品開発部の実務を担うメンバーは、実質的にはまだゼロ。ECサイトも、私が管理部の業務の合間に手掛けていて、専任スタッフはあえて置いていません。社内に適任者がいないわけではなく、新しいチャレンジであるだけに、社内の異動で席を埋めるより、経験豊富な外部の人材を呼び込んで会社全体の活性化を図りたいと考えているのです」。この言葉に続いて、森﨑部長が語った「薩摩川内鰻の“人と組織”」の展望について整理すると――
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●成長途上の当社は、いわゆる「家業から企業へ」の過渡期にあり、人事制度や教育制度から工程のマニュアルづくりに至るまで、社内体制を整備する段階にある。
●工場に最新設備を揃えてはいるが、それはいわば点であり、線につなぎ面に広げる取り組みが求められている。具体的には、生産管理、生産技術、品質管理など、役割分担を明確にした組織構築が急務。その先にはDXやスマート化など、より厚みのあるテーマも見えてくるだろう。
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「事業拡大に伴って社内をドラスティックに変えていく、その変化を主導できる人材を求めています。エンジニアであれ営業スタッフであれ、いまの当社は社会人としていちばん面白い体験ができるタイミングだと思いますよ」と、“まだ見ぬ仲間”への期待は高まるばかりです。
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「正直、福利厚生関連のテコ入れも、今後の課題のひとつ。とはいえ既定の休日や有給休暇とは別に、GWとお盆と年末年始の年3回、工場の操業休止にあわせて年間7~8日の特別休暇が付与されるなど、ワークライフバランスは現状でも悪くはないと自負していますが」と、森﨑部長は笑顔で話を締めくくりました。
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組織構築から積み上げていくキャリア形成。確かなチャンスが、ここにあります。
会社概要
- 株式会社薩摩川内鰻
所在地 | 鹿児島県薩摩川内市東郷町斧渕8710-3 |
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URL | https://www.satsumasendaiunagi.jp/ |
代表者 | 佐藤 光信 |
資本金 | 100万円 |
設立 | 2014年10月 |
従業員数 | 79名 |