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- 宮崎県の1号店も大成功。目標は5年後に100店舗
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福岡県出身者ならおなじみの和食チェーン「資さんうどん」を運営しているのが、株式会社資さんです。発祥は、北九州市。1976年に創業し、創業者・大西章資さんの名前からこの屋号が生まれました。秘伝のだしをベースにした豊富なメニューと、まだコンビニがない時代には珍しかった24時間営業が大ヒット。北九州市民のソウルフードとして愛されてきましたが、2009年からは市外への進出を開始。現在では、鹿児島・長崎をのぞく九州各県と、山口県にまでエリアを拡大しており、店舗数は58店舗(2021年12月現在)にのぼっています。
コロナ禍の影響も最小限にとどまっているようで、2021年に宮崎県初進出となった都城店のオープン日には長い行列ができ、歴代トップクラスの単日売上を記録しました。
今後も新規出店を継続していく予定。当面の目標は「5年後に100店舗」とのことですが、今の勢いを見ていると大幅に前倒しになる可能性も高そうです。
- 「資さん」が愛される理由。店づくりに秘められた戦略
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熱烈なリピーターが多いことで知られる「資さんうどん」。人気の理由の1つは、メニューの豊富でしょう。うどんから、丼もの、おでん、ぼた餅などのサイドメニューにいたるまで、常時100種類以上のメニューがあるうえ、2か月に1度は季節のフェアメニューが登場します。しかも、ほぼ全品がテイクアウト可能。最近は全体の売上の約3割がテイクアウトで支えられており、コロナ禍での業績維持に貢献しています。
これだけのチェーンなのに、丹念な手作業を大切にしているのも特徴です。創業時より受け継がれる秘伝のだしも、毎朝、店舗で仕込むのだとか。名物のぼた餅も各店で1つ1つ手づくりしています。接客もマニュアル化されていません。「幸せを一杯に」という経営理念のもと、「気持ちのいい接客、心地のいい雰囲気」を1人1人が考え、マニュアルを超えたサービスをめざすのが「資さん」流。と同時に、店長の裁量を大きくすることで、立地や客層にマッチした店舗運営を可能にしています。
さらには、くじ引きが好評の創業祭(1等賞品はオーダーメイドの丼)など、イベントも活発。ドライブスルーも始めるなど、常に新たな工夫と進化を重ねています。
- 自分の色が出せる社風。短時間でのキャリアアップも可能
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マニュアルがないということは、社員が自分の色を出しやすいということ。特に店長は、店のレイアウトやスタッフ教育も自分で工夫できるため、会社を1つ経営しているような感覚で働けます。キャリアアップも実力しだい。異業種からの転職でも、入社8ヶ月で店長になった社員がいるといいます。飲食業の経験がなくても、店舗運営の経験があれば大いに活かすことができそうです
- 発展途上だからこそ、活躍の場も豊富
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一方、急成長中の社内は、組織づくりの真っ最中です。「本部も店舗も人材が足りない状況。発展途上の会社ですが、だからこそ自分で作っていくこともできる。そうした面も、転職者には魅力ではないでしょうか」と人事担当の藤本さんは話します。
人材を大切にしたいという思いから、働き方改革にも着手。2021年10月からは4週8休制を導入し、休みを増やしました。
最近は社会貢献活動にも力を注いでいます。キッチンカーを毎週末走らせ、被災地や児童養護施設、子ども食堂などを巡回。地域社会に密着し、新たなファンを増やす取り組みにも余念がありません。
北九州の「資さん」から、九州の「資さん」へ。さらには、日本全国やアジアの「資さん」へ。そんな夢にむかって、会社ととともに日々成長していく実感を味わえるのも、同社の大きな魅力でしょう。
会社概要
- 株式会社資さん
所在地 | 福岡県北九州市小倉南区上葛原2-18-50 |
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URL | https://www.sukesanudon.com/ |
代表者 | 佐藤 崇史 |
資本金 | 5,000万円 |
設立 | 1980年12月 |
従業員数 | 1,987名 |