- 累計資金調達額7億円。J-Startupにも選定
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株式会社クアンドは、福岡県内で活動する多くのスタートアップ企業の中でも、今最も注目されている企業の1つです。
創業は2017年。製造業や建設業などを対象としたDX事業からスタートし、2019年、自社製品のプロダクト事業に着手。現場仕事むけの遠隔支援コミュニケーションツール「SynQ Remote(シンクリモート)」を開発しました。これを機にさまざまなビジネスコンテストで受賞するようになり、2022年には九州の有望なスタートアップ企業が選ばれるJ-Startup KYUSHUに選定。翌2023年には全国版のJ-Startupにも選ばれました。全国でわずか50社、九州では2社のみであったことが、その価値を物語ります。
注目の資金調達も順調に推移しており、2023年11月現在の資金調達額は、累計約7億円。
「おそらく、この事業レベルのスタートアップとしては現時点で最大限の資金を集めることができているはず」と同社の財務を担当する佐伯拓磨CFOは話します。 - 全国の現場で導入が進む「SynQ Remote」
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「SynQ Remote」が高く評価されているポイントは、ニーズの幅広さと、社会貢献度の高さにあります。
日本のものづくりを支えている製造業、建設業などは、多くの「現場」と、共通の課題を抱えてきました。それは、現場での確認作業に多くの人手や時間がかかること。そんな悩みを解消するべく開発された「SynQ Remote」は、リモートでの現場確認や検査を可能した画期的なアプリです。メジャーの細かな目盛りまで確認できるほどの高画質を備えたビデオ通話機能のほか、双方向から画面上に印をつけたり、書き込みができるポインタ機能。メモや写真を記録し、報告書の作成をサポートする機能など、現場確認に特化した、多彩な機能を誇ります。 - 現場ユーザーに徹底的に寄り添う
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こうした開発力の秘密は、徹底したユーザー目線にあります。顧客との定例会を毎月実施し、「SynQ Remote」の使用感や要望など、ユーザーのリアルな声を収集。それをミーティングで全社員に共有し、一丸となって次の改善へとつなげています。社員が実際に現場へ視察や打ち合わせにいくこともあり、その際には、ユーザーと同じ気持ちになるために自分たちもオリジナルの作業服を着用するという徹底ぶり。ユーザーに寄り添いながら製品に磨きをかけていく姿勢も、投資家たちから高く評価されているポイントです。
導入実績も年々拡大中。リリースから約3年で約50社が導入しており、その中には有名大手企業の名前もずらりと並び始めています。 - 会社のルールや方向性も全員で考える
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本社は創業地である北九州市にありますが、現在のメインオフィスは福岡市大名。といっても、同社の基本はリモートワーク。15名の社員の大半が自宅を拠点に仕事をしているそうです。居住地もさまざまで、東京や愛媛在住の社員も活躍中とのこと。
そう聞くと「今どき」の会社をイメージしますが、佐伯CFOによると、社風は「意外と、昭和な感じ(笑)」だとか。年に1度は全社員が集まって合宿を兼ねた社員旅行を実施。昨年はその場で1日をかけ、会社の行動指針となる「QUANDO VALUES」を全員で考えたそうです。大名オフィスに集まったメンバーで飲み会にくりだすことも多く、それぞれの立場から会社の方向性について夜な夜な熱く語り合うことも少なくありません。また会社の財務状況も毎月社内に公開しており、役職や職種に関係なく、意見やアイデアを言い合える風土があることも、同社の成長力の源泉となっています。
佐伯CFOは、「資金をしっかりと調達できたおかげで、先を見すえた採用にも取り組めるようになった」と話しており、今後はいよいよ採用活動に力を入れていく予定。「地域産業をアップデートする」という目標にむけた事業展開がさらに加速していきそうです。
会社概要
- 株式会社クアンド(QUANDO, Inc.)
所在地 | 福岡市中央区大名2-4-22 3階 OnRAMP内 |
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URL | https://www.quando.jp/ |
代表者 | 下岡 純一郎 |
資本金 | 63,900,000円 |
設立 | 2017年4月 |
従業員数 | 15名名 |